ぷり子の部屋

やかましいブログです。

【ネタバレあり】THE FIRST SLAM DUNKが止まらない

すみません、我慢出来ません。
先に謝りますが今の私は60%仕事、40%がスラムダンクの事で頭が一杯で、ちょっとイカれちまってます。すみません。
このままでは私のSNSスラムダンク強火botへと化してしまうのでここで吐き出させてください。
(しかし、僅かに残った理性で仕事の比率が高いだけ自分を褒めたい)

1回目を観た直後に前回のブログの記事を書いたのですが、その時は興奮を通り越して夢心地のふわふわ意識朦朧状態で綴ったのでまだ読める文章ですよね。
オタクが一番怖い状態になるのは、沸騰し切って一度冷静になった後、その熱が胸の中で燻り続けている中、その感情をアウトプットしたいと思った瞬間です。「え、ちょっと待って、つまり」から始まるアレです。これが俗に言う、沼です。(持論)

最初に観た時は、オープニングから最後の瞬間まで一気にインプット状態が続きます。
演出的にもまさにジェットコースターに乗っているような感覚になり、息も出来ずにただ情報を飲み込むしかなく、本番は二回目以降。
どういう話の構成で、どういうオープニングが待っていて、どういうラストを迎えるのか。
それを全てインプットした状態で改めて観るTHE FIRST SLAM DUNKは、もう堪らなく魅力的なのです。

まず、今まで観た映画の中でもナンバーワンと言っていい程のオープニング。
The Birthdayの曲と共に始まるのですが、全て井上雄彦先生の手描きで、湘北高校のメンバーが下書きから1人ずつ登場し、全身が完成したらこちらに向かって歩き始めます。発狂です。
曲自体も、ベースのみからスタートし、続いてドラムが加わり、リズムギターリードギター、ボーカルの順で音が重なるそれは、まさに湘北メンバー5人が揃うかのような完璧なものでした。

今回の映画が漫画のどこを描かれるのか、ようやくネタバレが解禁されるのがこのオープニングの後半です。
シャーッと階段が現れ、上から満を持してぞろぞろと降りてくるのは「最強」山王工業高校のメンバーでした。
原作を知ってる人は、正直予想はしてたと思います。
しかし、実際に登場シーンを観たらばその迫力たるや、チビり散らかす勢いなのです。
そして「山王戦………!」と天を仰ぎます。昇天です。

この山王戦とは、井上先生が私達に残してくれたスラムダンク最後の試合です。「これ以上の試合が描けない」と言って、連載を終わらせた程の伝説の試合なのです。
スラムダンクはアニメ化されていますが、この山王戦はアニメでは描かれていません。(原作強火過ぎてアニメ見てないが)
つまり、湘北VS山王の試合を30年越しに初めて映像で観れる、そんな映画なのです。

そして、原作の主人公は桜木花道という赤髪の彼ですが、今回の映画の主人公は宮城リョータというポイントガードの選手です。
宮城の幼い頃から山王戦が終わり、その後の進路までが描かれるというストーリーになっています。
湘北のスタメン5人には、それぞれハッキリと役割や特徴があるのですが、この宮城という選手は原作ではそこまで大活躍するという訳ではありません。大好きだけど、かっこいいけど、1番人気のキャラだとは思いません。
そんな宮城を何故主役にしたのか。
井上先生は「宮城だけあまり原作で深掘りが出来なかったから」とインタビューで答えていました。

これが、もう大正解。

宮城リョータ…いや、もういつも通り愛称のリョーちんって呼びます。リョーちんはバスケットマンという事を差し引いても身長が低く、自分がチビだというコンプレックスを抱きながら全国の猛者相手に立ち向かう、いわば「才能や体格に恵まれていない」側のキャラクターです。
更にはこの映画の中で初めて公開された彼の過去で、兄の死や団地育ちな事、周りに馴染めなかった葛藤等が描かれ、どのメンバーよりも深いバックボーンを知る事になります。
そんなリョーちんがようやく信じられる仲間を見つけ、絶対王者の山王と戦い、その身長で更なる高みへと昇って行く様を見せる事で「壮絶な過去とコンプレックスを乗り越えた人間の強さ」を教えてもらえる、私は全体からそんな風に受け取りました。

そして、肝心の試合シーンですが、これがもう史上最高に素晴らしいのです。
実際にコートにいるような感覚、結末を知っているのに手に汗を握る展開、ラスト20秒のとんでもない映像の疾走感と、吸い込まれるような秒針の音。全員が腰を浮かせて画面を食い入るように見つめてしまう無音の演出。原作を知っていれば全員が聞こえたであろう「左手は添えるだけ」。
漫画ではモノローグで感情や状況が説明されますが、映画ではもう映像とリアルな会話のみで魅せる。しかし、そこに更なる臨場感を加える絶妙過ぎる音楽。
どこを切り取っても最高でした。
最高の山王戦が観れました。
この時代だからこそ観れる山王戦でした。

先生が「世に出すからには原作を越える物を」と仰ってましたが、もはやその域です。
(しかし原作強火としてはそう言い切るのもまた葛藤)
ここまで書いてみて思ったのですが、あの原作を越える、というのは井上先生自身も相当なプレッシャーだったはず。しかし、とんでもない年月を掛けてそれをやってのけた一人なんですよね。

私が大好きな、水戸洋平の「いや…そうじゃねぇ…バスケットマンになっちまったのさ。」や「見てるか谷沢。お前を越える逸材が」のシーンがカットされていたのは悲しいですが、確かにあの演出なら致し方なし。急にモノローグやスローモーションの演出が入ってしまっては、試合の臨場感が一気になくなります。谷沢って誰?仙道って誰?と混乱するだけです。完全にスポットを湘北と山王に当てて、それ以外の高校のメンバーを出さないと断固たる選択をしたなら、矛盾や違和感が生じないようにカットすべきです。全て納得。

ここまでネタバレしましたが、
ここまでネタバレをしても、全てを知った上で見ても楽しめるのがTHE FIRST SLAM DUNKです。
出来れば原作を読んでからの方が…とか言ってましたが、恐らくもうすぐ公開が終わります。
アマプラを待ってる場合じゃないです。
井上先生なら「サブスクで暇潰しに見るものじゃないから配信しない」とかなんとか言い出す可能性だってあります。天才の発想って恐ろしいです。
大至急、大画面で、映画館の音響で観るべきです。
行けるなら明日にでも行ってみてください。
悪足掻きですが、試合の結果だけはネタバレしません。

私はもう寝ます。(AM2:00のぷり子より)